愛犬が喜ぶご褒美の選び方や与え方って?

しつけやトレーニングのご褒美として、「おやつ」をあげる飼い主さんも多いと思いますが、愛犬が本当に喜ぶおやつを与えてあげることが、効率よくしつけやトレーニングを行うためには大切です。

また、愛犬が喜ぶからと言っておやつばかり与えてしまうと、太りすぎや栄養が偏ってしま、愛犬の健康を害してしまうこともあります。

そこで今回の記事では、ご褒美として愛犬が喜ぶ食べ物の選び方やその適切な与え方についてご紹介いたします。


与える回数を分ければ分けるほど、犬の幸福度がアップ!

一般的に、犬はあまり咀嚼をせず食べ物を丸呑みし、満腹感も感じにくいため与えたら与えた分だけ食べてしまうという傾向があります。

そのため、異なる大きさの食べ物を食べてもその満足感は変わらないため、ご褒美として与える食べ物は一度にたくさん与えるよりも、小分けにして回数を増やして与えた方がたくさんの満足感を得ることができます。また、小分けにすることで与えすぎを防ぐこともできるので、肥満の防止にもつながるでしょう。

食事の回数に関しても、一般的に1日2回に分けたほうが良いと言われていますが、これは人の都合に合わせているだけで特に犬にとって望ましい与え方というわけではありません。食事に関しても、犬の食性から考えると1日を通して回数を分けて与えたほうが犬の満足感が高まるため、1日の与える総量を決めたうえでトレーニングのご褒美などとして小分けにして与えれば、消化吸収にもよく飼い主さんとのコミュニケーションの機会も増えます。


なかなか食べられない方が犬は楽しい!

「なかなか取り出して食べられない」、「食べ物を探すのに時間がかかる」など、すぐに食べることができないとストレスに感じてしまうと思いがちですが、動物は容易に得られる餌があっても労力を要する方法で好んで採食する性質があります。このような現象をコントラフリーローディング効果と呼びますが、人でもこの現象は見られタダで得たものよりも何らかの対価を払って得ることを好みます。

前述したようにもともと犬は狩りをして食料を得ていたため、狩りを模倣できるような「匂いで食べ物探す」、「追いかけて食べる」、「噛んで破壊しながら食べる」など、狩りを模倣できるような食べ方を楽しみます。

そのため、器ですぐに食べられるように与えるよりも、コングなどといった知育玩具の中に普段の食事やおやつを入れて試行錯誤しながら食べられように与えると、犬は時間をかけて遊びながら楽しむことができるため、お留守番の時の退屈しのぎにも効果的です。

また、とトレーニングのご褒美として食べ物をもらうことを犬が喜ぶのもコントラフリーローディング効果によるもので、一生懸命頑張って覚えたことで得られることで、犬は普通に与えてもらうよりもご褒美として与えてもらった方が嬉しさが増します。


犬はどんなおやつを喜んでくれるの??

一般的に、犬は次のような特徴をもったおやつを好んで食べてくれます。

  • お肉類
  • 匂いが強いもの
  • 水分含量が多いもの
  • 発酵食品

犬は雑食性なので、お肉だけを与えてしまうと栄養が異なってしまいます。しかし、もともとは狩りによって捕らえた獲物の肉を引き裂いて食べていたため、お肉類など弾力があるものを好んで食べる傾向があります。

犬は人ほど味覚が発達していないため、食べ物の嗜好性は匂いに影響されることが多く、人からすると匂いが強いものを好む傾向があります。特に、乾燥したものよりも水分含量が高いものの方が揮発して匂いが強くなり喉越しも良いため、多くの犬がドライフードよりウェットフードを好みます。

また、発酵食品なども匂いが強いことから、チーズやヨーグルト、納豆なども喜んで食べてくれます。チーズには、健康な血液や骨、皮膚、被毛を作りなどには欠かせない栄養がたくさん含まれています。また、ヨーグルトには整腸作用や中性脂肪を減らす働きをも持つことが明らかになっているため、肥満気味、便秘や下痢の症状を抱えて犬には効果が期待できます。しかし、犬によっては牛乳を飲むとお腹を壊してしまうこともあるため、必ず犬用のものを与えるようにしましょう。

意外かもしれませんが、納豆を好む犬も沢山います。納豆の粘りの部分には、ナットウキナーゼという酵素が含まれています。ナットウキナーゼは血管が詰まるのを防いだり、血圧の降下作用や、血流をスムーズにする作用を持っていて、これらは犬にも有効ではないかと考えられています。しかし、与えすぎると消化しきれなくなってしまうので、タレなどの味付けはせずに少量を心がけましょう。


おやつの与えすぎには注意しよう

愛犬が大好きなご褒美を食べて喜んでいる姿を見るのは、飼い主さんにとっても非常に嬉しいことだと思います。

しかし、愛犬が欲しがると言って与えすぎてしまうと、栄養が偏ってしまったり肥満になってしまったり、愛犬の健康を維持することが難しくなってしまいます。

基本的には総合栄養食であるドッグフードを食事として与え、前述したようにおやつはトレーニングやしつけのご褒美として与えるようにしましょう。

その際、小分けにして一回に与える量は少なめにし、おやつを与えた場合はその分、食事の量を減らすなど、過剰なカロリー摂取にならないようにコントロールする必要があります。

愛犬が好むおやつを選び、適切に与えてあげれば、愛犬にとって日頃の生活の楽しみが増えます。そして、愛犬が喜ぶご褒美を提供してあげることで、飼い主さんへの信頼や期待も増え、お互いのコミュニケーションがより一層深まるので、是非、いろいろと工夫してみましょう。

麻布大学介在動物学研究室(旧 動物人間関係学研究室)にて、人と犬の関係、特に犬の問題行動やトレーニングの研究を行い、人と犬の関係学の分野で日本初の博士号を取得。

麻布大学卒業後、人と動物の関係に関する専門家やドッグトレーナーの育成を目指し、株式会社Animal Life Solutionsを設立。犬の飼い主教育を目的としたしつけ方教室「スタディ・ドッグ・スクール」の企画・運営を行いながら、ドッグトレーナーとしても指導にも携わっている。

2009年には世界的なドッグトレーナーの資格であるCPDT-KAを取得。

スタディ・ドッグ・スクール 代表
株式会社 Animal Life Solutions (ALS)代表取締役社長
日本ペットドッグトレーナーズ協会(JAPDT)理事長

動物介在教育療法学会(ASAET)理事
CPDT-KA(Certified Professional Dog Trainer - Knowledge Assessed)

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