犬の年齢別に多い病気とは?予防のために注意したい食事や生活習慣

愛犬には何歳になっても健康でいてほしいものです。

そこで世代別に多い病気をご紹介します。

予防のためには何をすればいいのか、ここで確認しておきましょう。


子犬に多い病気って?

下痢

1歳になるまでの子犬は新しい環境や気温の変化に慣れていないために、病気にかかりやすいです。

また消化器官が成熟していないために、体調が安定せず「下痢」になる傾向があります。


骨折・脱臼

最初に飲む母犬の母乳には、母犬が持つ免疫が含まれていますが、その免疫が効果あるのは60日程度とされているため、免疫が切れてから感染症にかかることがあります。

成犬よりも重症化しやすく、神経が侵され場合によっては死に至るジステンパーや嘔吐、下痢を繰り返して脱水症状を起こすパルボウイルス感染症に感染する可能性があります。


免疫力がまだ完全ではないのと同様に、骨もまだ完全ではありません。

特に小型犬は体の骨が細く、この時期に骨折しやすい傾向があります。

膝の上から飛び降りたり、ソファの上から飛び降りた時に骨折することがあります。


低血糖症

生後3か月までの子犬は血中の糖分濃度が低下してしまう低血糖に注意が必要です。

肝臓がまだできあがっておらず、血液中の血糖値が低下して、通常であれば肝臓が糖分を補うような働きをしますが、肝臓ができあがっていないために、低血糖症になりやすいのです。


誤飲誤食

特に歯の入れ替えの時期には、むず痒さからいろんなものをかじります。

そのまま飲み込んで誤食につながる可能性もありますので、十分注意が必要です。


愛犬の病気予防のために注意したいこと

ワクチン接種は必ず打ちましょう

子犬の低い免疫力をカバーするためにワクチンがありますので、ワクチン接種は必ず行いましょう。

ワクチン接種をすれば防げる病気もあります。

もし、病気にかかったとしても重症化せずに済みますので、必ず受けるようにしましょう。


生活環境を整えてあげましょう

新しい環境に慣れずに下痢をしてしまうことがあります。

きちんと栄養と水分を取り、十分睡眠させることも大切です。

子犬なのでエネルギーがあり、もっと遊んでとおねだりしてくるかもしれません。

ですが、そこは飼い主がしっかり睡眠時間を確保してあげることが大切になってきます。


また、生活環境を整える上で衛生面も整えてあげましょう。

子犬が使用するペットシーツやフード入れ、お水入れも毎回きれいに洗ってあげましょう。


食事の回数を増やす

子犬の低血糖を予防するには、長時間空腹状態にしないことです。

最低でも食事は1日3回に分けて与えましょう。

量を変えずに回数を増やすだけで低血糖を予防することができます。


おもちゃは安全なもの、小さいおもちゃは見えない場所に

子犬がかじっても安全で、誤食する恐れのないものにし、口にすると危険なものや誤食の恐れのある

小さなおもちゃは子犬の目に見えないような場所に置いておきましょう。


万が一誤食してしまった場合は、すぐに動物病院に連れて行き、獣医師に何を食べてしまったのかを正確に伝えるために、可能であれば誤食してしまったものや

食べかけのものを持参し、誤食してしまったのか伝えましょう。


骨折しやすい環境をやめましょう

子犬はエネルギーがあり、走り回ったり飛び跳ねたりと元気です。

ソファから飛び降りたり、飛び跳ねたりして遊ぶことは避けましょう。

落ち着かない場合は、一度抱きかかえて落ち着かせると良いでしょう。

床がフローリングの場合は滑って骨折しやすいのでカーペットなどの滑りにくい素材のものを

敷いてあげると良いでしょう。


成犬(1~5歳)に多い病気って?

1歳から5歳ぐらいまでの成犬は子犬の時期に比べると事故を除いたら大きい病気というのは少ないですが、それでもかかる病気はあります。


皮膚病

犬の皮膚病は原因が一つとは限らず、様々な原因があり、それによって様々な症状を引き起こします。

原因が一つだけとは限らず、同じ症状を複数の病気が示すこともあるため、簡単な症状からでは原因を突き止めるのは難しいです。


犬の皮膚病の中で最も多いとされているのが「膿皮症」です。

皮膚に元々存在する細菌が、免疫力が低下した時に異常繁殖することで起きます。

また、皮膚が不潔になったり、膿皮症が繰り返し再発する場合は、アレルギーなど何らかの原因を抱えていることが多いです。

その他にも、間違ったスキンケアや外傷によって肌が傷ついてしまい、膿皮症になることもあります。


アトピー性皮膚炎は遺伝的素因が関与した、かゆみを主徴とする慢性の皮膚疾患です。

いくつかのアレルゲンが複雑にかかわっていることが多く、アレルゲンをすべて排除することは困難なため、完治が難しい皮膚炎です。


外耳炎

外耳炎はたれ耳の犬種でバセット・ハウンドやゴールデン・レトリバー、耳道内に被毛が多い犬種でプードルやミニチュア・シュナウザーなどに多く発生すると言われていますが、あらゆる犬種でよく見られる疾患です。

外耳炎の原因は、細菌感染、マラセチアなどの酵母菌感染、寄生虫(ミミヒゼンダニなど)が一般的です。

ただし、根本的な原因としてアトピーなどにより皮膚炎や甲状腺機能低下症などが存在していることがあります。


下痢

何らかの原因で胃腸の機能に問題が生ずれば、食べ物や飲み物がうまく消化・吸収されず、

未消化・未吸収のまま、体外に排出されることになります。これが下痢です。

もし、食べ物を消化・吸収する小腸に問題があれば、未消化・未吸収の食べ物が下痢便となって排出されます。(小腸性下痢)

一方、巣分吸収を行う大腸に問題があれば、水っぽい下痢便が、しばしば排泄されます。(大腸性下痢)

下痢の原因は様々で、過食や間食、高脂肪食などの不適切な食物、食物アレルギー、ウイルスや感染症、内部寄生虫、胃腸炎、膵炎、腫瘍、代謝異常などが関連することがあります。


愛犬の病気予防のために注意したいこと

正しいスキンケアを

膿皮症になる原因の一つに洗いすぎがあります。

シャンプーは月に1回程度にしましょう。

それ以外の時に汚れがある場合は、お湯で汚れを洗い流す程度にしておきましょう。

また、ブラッシングで力を入れ過ぎて皮膚を傷つけてしまったり、逆に換毛期にブラッシングを怠り、皮膚内が蒸れてしまうことがあります。


皮膚を乾燥させないようにしましょう

皮膚のバリア機能が悪化するのは乾燥なので、皮膚が乾燥しないように塗り薬や保湿剤を使用することもあります。

アレルギー性皮膚炎を悪化させた他の病気がある場合は、他の病気の治療をすることによってアトピー性皮膚炎の症状が軽減することもあります。

獣医師の指導の元、食事やシャンプーなどが必要となってきます。


こまめに耳の中をチェック

散歩後に耳の中をチェックしましょう。

頻繁に耳掃除をする必要はありません。

もし、汚れていたらさっと拭き取る程度にしましょう。

綿棒や洗浄液を使用した過剰な処置は、外耳炎を引き起こす原因となる場合が多少あります。

また、耳の中は繊細で傷つきやすく、そこから細菌が入り炎症してしまう可能性がありますので、耳の異常は動物病院を受診するようにしましょう。


無理に食べさせず休ませましょう

一過性の下痢の場合はほとんどが1日程度絶食して胃腸を休ませてあげれば、何事もなく回復します。

絶食中は不足しがちな水分を補給するようにしましょう。

下痢の症状が落ち着いて来たら、消化の良いフードを少しずつふやかして与え始めましょう。

すぐに元の量には戻さずに様子を見ながら少しずつ量を増やしていきましょう。

食欲があるからといっておやつを与えてしまうのは絶対にしないでください。

下痢を悪化させてしまいます。落ち着くまではどんなに元気でもおやつは与えないようにしましょう。


老犬(5歳以上)に多い病気って?

老犬になり、年齢を重ねることで体の様々な機能や免疫力が落ち、体調を崩したときに発症しやすくなります。


老犬に多い腫瘍

体の各組織が新陳代謝をして新しい細胞を交換する中で、新しい組織が異常な増殖をしてできたものを腫瘍といいます。

腫瘍は、良性腫瘍と悪性腫瘍(がん)に分類されます。

良性腫瘍と悪性腫瘍の大きな違いは転移の有無です。

良性腫瘍は転移することがありません。また、再発も悪性腫瘍のほうが、高確率で発生します。


僧帽弁閉鎖不全症

心臓にある僧帽弁という弁が完全に閉じなくなることにより、隙間ができ逆流が起きます。

シーズー、マルチーズ、パピヨン、チワワなどの小型犬に多く、逆流が悪化すれば肺や気管などに負担がかかり、気管支圧迫、肺水腫による

咳や呼吸困難などが起こります。


老犬に多い歯周病

3歳以上の犬の8割が歯周病になっていると言われています。

初期には歯肉炎を起こし、歯肉の腫れや触ると出血が見られるが、この時期では治療により、元の状態に回復可能であるが、放置してさらに炎症がひどくなり、歯周ポケットが形成されるようになると、炎症はより深い部分まで進行していきます。

破壊された歯周組織をもとの状態に戻すことができません。

また、最近では歯周病に関連した細菌が体内に入ることで心臓や腎臓、肝臓などほかの臓器に悪影響を及ぼす危険性があります。


予防のために注意したいこと

腫瘍

がんにかかった犬の生活の質を高める緩和ケアして漢方やサプリメントを使用するのも良いでしょう。

がんにはオメガ3脂肪酸やアガリクス、サメ軟骨を@含むサプリメントが良いでしょう。

ただ、直接効いてがんが治るというものではありません。

あくまでも免疫を高めるものと考えていただいたほうがいいかと思います。


また、がんは確実に予防できるものではありません。

飼い主のケアで早期発見・早期治療にできるかもしれませんので、毎日状態を確認し体に腫瘍がないか日々触ることで変化に気づくことができます。


僧帽弁閉鎖不全症

初期症状はほとんどありません。症状が出るなら、激しい運動をした後に咳を少しする程度で犬も元気です。

確実な予防法はありませんが、僧帽弁閉鎖不全症を予防するなら定期的に心臓の検査や聴診をすることで発見できる病気です。

高齢になると発症しやすくなりますので、定期的に検査をすることで早期発見・早期治療を行えます。


歯周病

少しでも早く発見して治療することが大切になります。

歯石は歯周病の直接の原因ではありませんが、歯垢が付着しやすくなるなど歯周病を助長する大きな要因です。

歯垢や歯石の付着をさせないことが歯周病の予防になり、歯石が付着している場合は除去を行うことが歯周病の治療・再発予防に必要になります。

そのためにも毎日のデンタルケアを習慣づけて、歯周病予防を行いましょう。


まとめ

年齢によってなりやすい病気は変わっていきます。

愛犬の年齢に合わせてケアしてあげましょう。

また、年齢が関係なくかかる病気もありますので、愛犬が健康に生活できるよう少しの異変に気づいたら、一度獣医師に相談してみるのも良いでしょう。

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