猫の健康を考えるときに、必要なご飯の量を知ることはとても大切です。
そこで、飼い猫にあげる食事量はどのくらいがいいのか?
体重ごとに必要な摂取カロリー、食事のタイミングと回数、ライフステージの変化によって注意することなどについて説明します。
- 目次 -
猫の食事量の目安
現在の体格が適正であれば、与えているフードのパッケージに書かれている分量とカロリーを参考にして与えるのが一番良いです。
与えた量をすぐに食べきってしまい、もっと欲しがったとしても、追加で与える必要はありません。
適正な量、適正なカロリーを守るようにしましょう。
あまりエサを食べない場合は様子を見て、気まぐれでより好みをしているだけならば放っておけば自然に食べますし、食が細いのなら他に食べやすいものを探してみましょう。
ただ、単に少食かと思ったら実は胃腸炎などの病気だったという場合もあります。
あまりにも食べなかったり、下痢をしていたり、痩せてしまったりという状態なら獣医師に相談してみて下さい。
猫の体重ごとの摂取カロリー
1日に必要な摂取カロリーを体重別にまとめました。
個体差もあるのであくまでも目安です。
- 1kg 52~75kcal
- 2kg 83~119kcal
- 3kg 109~157kcal
- 4kg 132~190kcal
- 5kg 153~220kcal
- 6kg 173~249kcal
- 7kg 192~276kcal
- 8kg 209~302kcal
- 9kg 227~327kcal
- 10kg 243~350kcal
一般的に猫が1日に必要なエネルギー量は、成猫の場合体重1kgに対して約64kcal程度といわれています。
ただし、個体や運動量によっても違ってきます。
完全室内飼育や運動量の少ない猫なら、体重1kgに対して約52kcal程度を目安にします。
もし、肥満気味であれば、低カロリーのフードに替えたりなど摂取カロリーを抑えるようにしたり、妊娠期や授乳期は通常の2~4倍のエネルギーが必要になるので、栄養価の高いものを与えるなど、状態に合わせて食事も変えるようにします。
市販されているフードには、パッケージに給与量が表示されているので、正しい給与量を守り、適正体重を維持できるように心がけましょう。
人間と同じように猫にも食いしん坊はいます。そのため、カロリーが足りていても餌をねだる猫はいます。
実際に摂取カロリーが少なければ、体重が落ちるので分かります。十分な量を与えているはずなのにねだられたとしても、心を鬼にして無視しましょう。
給与量はあくまでも目安です。猫によっては栄養吸収が悪い猫、良い猫がいるため、同じ量を与えてもやせ気味、肥満気味になってしまうことがあるのです。
この場合、他の原因も考えられるので、獣医師と相談の上、フード量の調節をするようにしましょう。
猫の食事のタイミングと回数は?
本来狩猟動物である猫は、少量のご飯を何回にも分けて食べる習性があります。しかし人間と共生するには、しっかり回数と時間を決めて与えましょう。
成猫の食事のタイミングと回数
成猫の場合はそれほど細かく食事を分ける必要はなく、1日2回で良いとされているようです。これは獣医師も推奨しています。(1歳を超えると立派な成猫となるので、子猫用のキャットフードは止め、成猫用のキャットフードに切り替えましょう)
食事の間隔を12時間前後空けることを想定して、朝は6~8時、夜は18~20時ぐらいにすると良いでしょう。
食事と食事の間隔が長いと、体が脂肪をためこみやすくなり肥満の原因になることもありますので注意しましょう。
やむを得ず1日1回しか食事を与えることができない場合、置き餌にしても基本的に猫は分割して食べるので、あまり気にしなくても大丈夫です。
人のご飯を食べたがって困るという場合には、人の食事と同じタイミングにすると、家族の食事を欲しがるようなことがなくなるので、試してみてください。
自分のペースで食事をする猫の場合は、自由給与(容器に一定量のフードを入れておき、自由な時間に食べられるようにしておく方法)にしてもよいでしょう。
自由給与には、傷みにくいドライフードが適しています。
幼猫・老猫の食事のタイミングと回数
幼猫や老猫は、一度で食べられる量が少なかったり、栄養の吸収が悪かったりすることが関係し、1日2回の食事では足りないことがあります。
特に、生後半年未満の幼猫は体が発達途中なので、1回の食事で多く食べられません。
そのため食事回数は1日3~4回に分け、幼猫の場合は4~6回に分けるのが必要となる時期もあります。
幼猫や子猫には、子猫用のキャットフードを選び、生後半年頃に体形が成猫と同じようになったら、食事回数を1日2回になるよう変えていきましょう。
病気等の場合は個別に対応しなければならないこともあるので、食事の回数、量は必要に応じて獣医師へ相談することをおすすめします。
ライフステージによる食事の切り替え
猫もライフステージにともなって必要なカロリーや栄養素が異なります。
フードを切り替える際には、1度に全部を変えるのではなく、今まで食べていたフードに少しずつ新しいフードを混ぜ、1~2週間かけて徐々に切り替えるようにします。
[幼猫期] 発育に充分な、栄養価の高い食事
↓
[成猫期] 健康維持のためバランスのよい食事
↓
[高齢期] 食べやすい食事で、健康維持を考慮
[妊娠期] 母体の維持と胎子の成長のための栄養価の高い食事が必要
[授乳期] 授乳する子猫のために、母猫は通常の2~4倍のエネルギーが必要
新しいフードが体質に合わないような時には、すぐに給餌を止めます。
猫の状態によっては獣医師の診察が必要です。
また、ケガや病気などによって「療法食」が必要になることもあります。その場合も獣医師の指導のもと、その状態にあったフードを与えてください。
幼猫期
一番変化の大きい時期です。
タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルの四大栄養素はもちろん必要であり、特に多くのタンパク質を摂ることが重要です。
成猫期
猫の体に合わせた栄養配分で、肉や魚などを使用したタンパク質が多いものを選び、カロリー過多にならないようにしましょう。
タンパク質は7~8割が理想です。
また、マグネシウム摂取過多になると、泌尿器系の病気になりやすくなるので注意です。
高齢期
基礎代謝量が減少していくため、低カロリーで高タンパクがベストです。
腎臓も衰えてくるので塩分にも抑えるようにしましょう。
消化機能が弱くなってきたら脂質を抑えた物、歯が弱くなってきたら柔らかい食感の物を選択肢に加えるようにしましょう。
妊娠期・授乳期
妊娠期には、胎子の成長にともなって胃が圧迫されるので、1回の食事量が減ってきます。そのため、少量でも栄養価に富んだ食事を与えるといいでしょう。
同じように多くのエネルギーを必要とする授乳期には、母猫が常に食事ができる状態にしておきましょう。
まとめ
猫のご飯の量は個体差が様々であり、今回の内容はある一例です。
フードの給餌量どおりでも体重が増えてしまったり、減ってしまったりすることもあるかもしれません。
猫の様子を日々観察し、ボディコンディションを見たり、体重を計ってみたりしながら、愛猫と一緒に「ちょうどいい」ご飯の量を決めていくことが大切なのではないでしょうか。