愛犬の認知症(痴呆) の対処法と予防法|犬の高齢化と介護

近年、犬の平均寿命は伸びでいき、長寿化が進んでいます。

認知症(痴呆)にかかるケースも増えてきています。

認知症(痴呆)は外見では判断することが難しく、発見が遅くなりがちです。

今回は認知症(痴呆)にはどのような症状があるのかご紹介していきます。


犬の認知症の症状|徘徊(夜中に歩き回る)

昼間寝すぎて夜眠れなくなったという経験をしたことはありませんか?

犬も同じで昼にたくさん寝ると、夜眠れずに徘徊してしまいます。

徘徊する犬は、昼間に寝る時間が増える傾向があります。(昼夜逆転)

徘徊自体を止めるのは困難な事ですが、昼とのバランスを整えてあげることで、夜の徘徊をある程度抑えることができます。

昼間に眠ってしまったら起こしてあげる、昼に日光浴をし、運動させて疲れさせる、などして、昼と夜のバランスを保ちましょう。


ただし、老犬ですので無理に激しい運動をさせるのではなく、散歩に行くだけでも犬にとっては運動になります。

徘徊が続くと、飼い主の睡眠不足にもつながり、大きな負担がかかる場合もあります。

無理はせずに、動物病院やペットシッター、老犬ホームなどをうまく使い、飼い主の体調も整えるように考えていきましょう。


犬の認知症の症状|夜鳴きをする

認知症(痴呆)による夜鳴きの場合は、徘徊と同様に、昼夜逆転によっておこることが多いようです。

徘徊と同様に体内時計をリセットさせるために、日光浴や飼い主が声をかけながら撫でてあげるなどの楽しい刺激を日中に与えるようにしてあげましょう。


また、東洋医学(中医学)では、下半身の活動が衰えることで、上半身に気が集まってしまうことも夜鳴きの原因とされています。脚をストレッチやマッサージで動かしたり、頭からお尻に向かって背中をなでおろしてあげたりし、気のめぐりを良くしてあげるのも良いでしょう。


飼い主の不眠や近隣とのトラブルといった深刻な問題がある場合は、老犬ホームなどに預けることも選択肢に入れておくといいでしょう。

また、近隣に事前に説明をして理解してもらうことも良いでしょう。


犬の認知症の症状|呼び名がわからない

老犬になると、聴力や視力の低下による場合もあります。

愛犬の視界に入り、大きい声ではっきりと呼んであげてください。

それでも反応しない場合は、認知症(痴呆)により自分の名前を忘れているかもしれません。

早めに獣医師に相談しましょう。


認知症(痴呆)の場合、人間と同じで症状を改善することは困難です。

新しい個性として受け入れて、付き合ってあげてください。


犬の認知症の症状|目の焦点が合わず、ぼーっとしている。

目の焦点が合わず、遠くを見るような表情をしている場合、認知症(痴呆)の可能性があります。

老犬になると穏やかになり、感情を余り見せなくなります。

ただし、極端に感情の変化がなくなった場合は、認知症(痴呆)を疑い、獣医師に相談しましょう。


認知症対策として処方された、睡眠導入剤などの副作用でぼーっとすることがありますので、可能であれば、薬の量を減らしてあげましょう。


犬の認知症の症状|急に怒ったり、噛んだりする。

飼い主でも、急に触ったり、目の前に手を出したりすると、興奮して噛まれることがあります。

触る時は先に声を掛けてあげましょう。

また、散歩の際は他の人を噛まないように口輪をつけるなど配慮し、不測の事態が起こらないようにしましょう。


犬の認知症の症状|いくらでも食べる。

満腹中枢や記憶力が衰えることによって、ひっきりなしにご飯を食べたがることがあります。

一日の給与量は変えずに回数を増やしてあげたり、低カロリーのおやつを利用するなどして対応していきましょう。


犬の認知症の症状|しつけたことができなくなった。

以前までできていたことができなくなることも、認知症(痴呆)の症状です。

飼い主の指示が分からず愛犬自身もつらい心理状態になっていますので、叱ったりせずに、受け入れてあげましょう。


犬の認知症の症状|壁や家具にぶつかると後ろに下がれない。

老犬にとって、後ろに下がる動作は難しい動作になります。

認知症(痴呆)により、脳の機能が低下するとこの動作ができなくなることがあります。

対策として、家具の隙間を防ぎ、家具にはクッションをつけるなどして、愛犬がぶつかっても安全なように工夫してあげましょう。


また、ご飯やお水のお皿は壁際に置かないようにしましょう。

ご飯を食べ終わってから後ろに下がることができずにじっとしていることもあります。


犬の認知症の症状|同じところをぐるぐる回っている。

認知症(痴呆)ではなく、前庭障害という脳の障害が疑われます。

ぐるぐる回っている場合は、円形のサークルを作り、その中に入れてあげるといいでしょう。

また、子ども用のプールでも代用は可能です。

お留守番をさせたり、目を離さなければならない時に使用するようにしましょう。

ただし、長時間入れておくのは、かえってストレスになりますので

なるべく短時間にとどめるようにしましょう。


犬の認知症(痴呆)の予防

認知症(痴呆)になると根本的治療がありません。

ですが、適切な対応である程度進行を遅らせることはできます。

また、症状改善にもつながることがあります。


・日光浴をする

日光を浴びることで、体内時計がリセットされます。

その結果、脳に刺激を与えることができます。


・昼寝はさせない

昼夜逆転してしまった場合、なるべく昼間は起こし、体を動かしておきましょう。

こまめに声を掛けてあげたり、おもちゃで遊ぶなどして刺激を与えましょう。

散歩に行くのもいいでしょう。いつもと違う散歩コースに行くだけで犬にとっては刺激になります。


・サプリメントの活用

DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペタエン酸)は血液をサラサラにして

動脈硬化を防いだり、脳神経細胞を活性化させたりする働きがあります。

特に、柴犬などの日本犬は長い間魚中心とした食生活を送ってきたために、他の犬種に比べてDHAやEPAの要求量が高く、認知症を起こしやすいといわれています。


サプリメントの他に動物用の塩分に少ない煮干しなどの青魚をご飯やおやつに与えるのもいいでしょう。

他にも、活性酸素を抑える抗酸化物質やビタミンなど、認知症に効果があると考えられる栄養素はいくつか存在します。


まとめ

認知症(痴呆)になると、最初はどうすればいいのか困惑してしまいますよね。

飼い主が老犬介護のために寝不足になったり、ストレスを感じてしまったりすることもあるようです。

しかし一方で、介護を通じて今までとは違った愛犬の一面も見えてくるかもしれません。

愛犬の今を受け入れてあげ、明るく楽しい気持ちで愛犬に接してあげることで、

愛犬もきっとその気持ちに応えてくれ、ますます絆を深めることができるでしょう。

無理せず、周りを頼ることも大切なことです。

ひとりで抱え込まずに周りを頼ってみましょう。

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