子犬の頃から日常生活の中にマッサージを取り入れることで、
人の手でどこを触っても嫌がらない子に育ってくれます。
人の手に慣れさせるということは、動物病院で診察する際に役に立ちますし、人の手が怖くて噛んでしまうという事故も防ぐことができます。
なにより、愛犬とのマッサージは信頼関係にもつながります。
特に、老犬になると寝る時間が増えて動く時間が減ってしまいます。
マッサージをすることによって体の異変に気づくことができます。
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マッサージの効果は?
マッサージをすることで足腰の老化の防止にもつながります。
新陳代謝をよくし、筋肉の疲れや痛みを癒すことができます。
全身を触れるので、病気の早期発見に繋がります。
愛犬がリラックスし、愛犬を喜ばせることができれば、飼い主との信頼関係が深まります。
それは、どこを触っても嫌がらない子に育てるということにもつながり、結果的に人の手を嫌がらない子、どこを触られても嫌がらない子に育てるという意味で「しつけ」と言えるでしょう。
それは突然知らない人が撫でようとして手を出してきた時に驚いて突発的に噛んでしまったり、触って欲しくないのに無理やり触られたりと、いろんな場面で例えば愛犬が人を噛んでしまったとき、どんなに犬に非がなくても問題になってしまいます。
そういったリスクを少しでも減らすためにも「人の手は怖くない」ということを教えてあげることが大切になってきます。
そういった意味を込めて、愛犬を優しくマッサージしてあげてください。
また、マッサージをすることで病気の早期発見に繋がることもあります。
常に愛犬の状態に関心を持って接していれば、触ったときにしこりや皮膚の状態、ノミダニの膿、毛並みの状態、小さな傷も気付くことができるでしょう。
時に乳腺腫瘍や肥満細胞腫などの様に身体の表面にしこりとして現れることが多い病気は飼い主が見つけることが多いので、マッサージをすることで早期発見に繋がります。
マッサージを始める前の注意点
マッサージを始める前に注意しておきたいことがあります。
まず、体調がすぐれない時や嫌がる時は避けましょう。
手を温める
愛犬の体が人の手によって冷やされないためにもマッサージの前は手を温めておきましょう。
香水は避け、指輪やブレスレットは外しておく
犬は鼻が良いので、刺激となる香水などは避けるようにしましょう。
また、指輪やブレスレットは愛犬を傷つけないためにも外しましょう。
愛犬とリラックスできる環境でマッサージする
マッサージを行うときは、お互いにリラックスした環境でするようにしましょう。
以下の時はマッサージを控えてください
炎症、腫脹、外傷、骨折などがある場合や、発熱、妊娠中、食後直ぐ、運動後は控えるようにしましょう。
犬のマッサージはどうやるの?
犬のマッサージは、人間と同じように触って欲しくない場所がありますので、
触っても大丈夫な場所からスタートしていきましょう。
マッサージは人間みたいに強く揉む必要はありません。
犬には弱い力で十分です。
いつも犬をなでるようにマッサージするだけでも十分ですので、力の入れ過ぎには注意が必要です。
また、始めるときには「始めるよ~」と声掛けをしましょう。
終わる時は「終わりだよ~」と声をかけてあげましょう。
全身
まずは、全身をマッサージしてみましょう。
手のひら全体で優しく流れるようになでてあげましょう。
マッサージ中は手を体からできるだけ離さないように。
どちらかの手がふれていると、愛犬も安心できます。
人間と同じように、なでることでリンパの流れが良くなり、デトックス効果があると言われています。
「豆腐をつぶさないくらいの力加減」を心がけましょう。
しっぽの先や足の先まで、しっかり触れてあげることがコツです。
痛がるようであれば動物病院で相談してみましょう。
肩
犬は目線が低く、常に飼い主を見上げる姿勢になります。
犬には鎖骨がなく、筋肉だけで前足と胴体を支えているため、肩周辺の筋肉がこりやすくなります。
また、犬は「つま先立ち」の状態で歩いているため、前脚に全体重の約6割がかかることも肩に負担をかけます。
さらに、硬いアスファルトやフローリングの床を毎日歩いていることなども影響しています。
肩のマッサージは肩の筋肉に指をあてて、指の腹でくるくると円を描きます。
力強さは「自分のまぶたを軽くマッサージするぐらいの強さ」でちょうどいいでしょう。
犬の肩にあたる部分は、前脚の上で「鶏もも肉のような、もりもりした弾力の場所」です。
少し場所をずらしながら、肩の筋肉全体を「くるくる」していきましょう。
背中
首元からお尻まで、背骨にそって両親指で軽く押すようにマッサージしてあげましょう。
力加減は首と同じで「自分のまぶたを軽くマッサージするぐらいの強さ」でいいでしょう。
もし痛がるような箇所がある場合は、獣医師に伝えて診てもらいましょう。
特にダックスやコーギーはヘルニアになりやすいのでマッサージをしながら
痛がる箇所はないかチェックしてあげましょう。
顔と頭
顔に対して、筋肉の走行、毛並みの走行に合わせてゆっくり指先を流していきます。
その際に目の周囲、耳、唇など手入れをする際に必ず触る箇所も触るようにしておくと手入れをする際に嫌がらずにさせてくれます。
目が疲れている時、涙や目やにが多いときは、目の周りを1周、優しくマッサージしてあげましょう。
目の周りの骨に沿って優しくマッサージしていきましょう。
耳
犬の聴覚は優れているので、様々な音を聞き分けます。
よく使う耳とその周囲の筋肉も、緊張して凝りやすい場所です。
親指と人差し指で軽く持ち、外方向へスライドさせます。
耳の付け根部分は優しく押すようにマッサージしてあげましょう。
胸
胸のマッサージは犬が座っている状態、または横向きの状態で行うとやりやすいです。
犬の背中から肩甲骨、前足の付け根を通って胸に向かって手のひらでやさしく撫でるようにマッサージします。
次に犬の胸全体を指先で円を描きながらマッサージしてきます。
ゆったりとしたリズムでマッサージしてあげましょう。
お尻
使う頻度の高いお尻から太ももにかけてマッサージをすると喜びます。
逆に後ろ足の先や、しっぽは、触られるのを嫌な犬も多いので、嫌がる場合は無理してマッサージを行わないようにしましょう。
犬の後ろ足の付け根とお尻がつながる部分を指で円を描くようにくるくると
マッサージします。
この時、肛門や性器の部分もよく観察しておきましょう。
まとめ
日常の生活中にマッサージを取り入れることで、よりよい信頼関係を築くことができ、
愛犬は飼い主に身を任せます。それは愛犬が信頼し、リラックスできているのだと思います。
リラックスした状態から愛犬の健康を把握することができ、健康な状態を知っておくことで異変にも気づくことができるでしょう。
愛犬に愛情を注ぐことは決して悪い結果を生むものではなく、必ず何かしらの良い効果があると思います。