家の中で物にぶつかったり、暗くなると散歩に行きたがらなかったりしていませんか?
いつもおもちゃを投げると反応していたのに、反応が薄かったり・・・。
もしかしたらそれは視力が落ちているか、白内障の病気かもしれません。
老犬に多いイメージですが、若い犬でも白内障を発症する場合があります。
ここではそんな白内障についてご紹介していきます。
- 目次 -
白内障ってどんな病気?
白内障とは、遺伝性、加齢性、糖尿病などにより水晶体が白く濁る病気です。
ときには視力を失い失明することがあります。
水晶体が白く濁ってしまうと、二度と元には戻りません。
しかし、早い段階で治療すれば点眼や内服薬で進行を抑えることができます。
早期発見・早期治療が大切になる病気です。
白内障の原因は?
原因は様々で、先天性(遺伝性)か後天性(外傷性、代謝性、加齢性、続発性)があり、
遺伝的要因と加齢によっての発症が多いとされています。
[要因1]
遺伝性の場合は水晶体内の代謝機能が先天的にうまく働かずに水晶体を濁らせてしまい、生後数か月から数年とかなり早い段階で症状が現れます。
遺伝性が考えられる白内障は2歳までの若年でも目の濁りが始まることもあります。
[要因2]
外傷性の場合、何かの事故などの外傷によっておこる白内障で、水晶体やその周りが損傷することによって発症します。
[要因3]
代謝性の場合、糖尿病などの代謝性が原因で水晶体の内部の正常な代謝が妨げられることで発症します。速く進行するケースが多いです。
[要因4]
持続性の場合、緑内障、ブドウ膜炎、水晶体の脱出など、水晶体の周囲の組織の炎症や異常によって白内障が起こることを、持続性の白内障といいます。
水晶体内の代謝が影響を受けて水晶体内の正常な代謝が阻害され、白く濁ってしまう状態で、目の充血なども見られます。持続性の白内障は、原因となる疾患を治療する必要があります。
犬の白内障の初期症状とは
目が白く見える他、一部が白く見えていたり、瞳孔が開いている場合もあります。
初期では、夜暗くなってからの散歩を嫌がったり、暗いときに物にぶつかったり、つまずいたりします。
これは住み慣れた家の中では、物の配置を覚えていたり、視覚以外の五感を使えば生活できるため、なかなか目が見えていないことに気付かないことがあります。
飼い主でもわかりやすいのは「目が合わなくなる」というのが一番発見しやすいかと思います。
いつもは名前を呼ぶと目が合っていたのに、最近目が合わなくなったという場合は、視力が低下している可能性があるので白内障を疑ってみましょう。
白内障にかかりやすい犬種は?
遺伝性によりかかりやすいと言われているのは下記の犬種です。
- コッカ―スパニエル
- 柴犬
- トイプードル
- キャバリア
- マルチーズ
- シーズー
- ラブラドールレトリバー
- ゴールデンレトリバー
- ヨークシャ・テリア
- フレンチブルドッグ
- チワワ
- ミニチュア・シュナウザー など
白内障は高齢でなるケースが多いですが、高齢犬だけがなる病気ではなく、若いうちから白内障になるケースもありますので、愛犬の様子を良くチェックしておきましょう。
白内障になったときの治療法
白内障になってしまうと、薬で治すことはできません。
白内障は水晶体のタンパク質が変性したために起こるもので、例えれば生卵がゆで卵になってしまい元には戻せなくなります。
水晶体も同じで一度白くなってしまうと元には戻せないのです。
治療方法は大きく2つに分けて内科的治療と外科的治療に分けられます。
内科的治療
加齢性の初期の白内障では、進行を抑えるために点眼を使うことがあります。
「白内障を治す」というより「進行を抑える」ために使用します。
定期的な検査と診察を行い、症状の進行を抑える治療をしていきます。
少しでも失明を遅らせるための処置を行っていきます。
外科手術
外科的に白く濁った水晶体を取り除き、水晶体の代わりになる人工レンズを挿入する手術を行います。
この手術は眼科専門の動物病や大学の附属病院で行います。
手術後は合併症が出ないかを定期的に検査や診察を行っていきます。
愛犬が白内障にならないための予防とは?
白内障は、目薬やサプリメント、日々の行動の中で予防することができます。
[ 点眼薬 ]
「進行を抑える」ために点眼薬を毎日点眼することも予防の一つです。
大切なのは毎日点眼することです。
紛失してしまい点眼しなくなったり、新しいのを買いに行けずそのまま点眼しなくなったりという方が多いです。毎日点眼するのは簡単なようで難しいですが、愛犬のためにも毎日しっかり点眼を守るということが大切です。
[サプリメント]
現在では目に効果のあるサプリメントが動物病院で購入することができます。
高齢期に入る前から始めていくのも良いでしょう。
[ 散歩後の目のケア ]
散歩から帰ってきたら、犬の目を人工涙液で流してあげましょう。
散歩に行くと、砂ぼこりやゴミが目に付着し、そのままにしておくと犬が気になって目をこするかもしれません。それが外傷の原因になります。
点眼薬とサプリメントはあくまでも進行を遅らせるために行うことですので、
完治することはありません。
ですが、根気よくケアをしてあげることが愛犬にとって大切になってきます。
まとめ
白内障は高齢犬の病気とは思わず、若いときからチェックしてあげ、少しでも変化に気づいたら、動物病院で診てもらいましょう。
「歳だから・・・」「しょうがない」と思わず、早期発見・早期治療で愛犬の目を守ってあげましょう。